日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2019年7月17日信頼・熱意・論理

ギリシャの哲学者アリストテレスは、人を動かすためには、エトス(信頼)、パトス(熱意)、ロゴス(論理)の3つが重要だと言っています。

この言葉は、お聞きになった方もいらっしゃると思います。



最近、私たちが提供しているベーシックコースの講義内容には、これらがすべて網羅的に盛り込まれていることに気付きました。

★ エトス(信頼)

ベーシックコースの2大柱は、「あがらずに人前で堂々と話しができる」と「人に好かれ、よい人間関係を作る」です。

この2つ目の「人に好かれ、よい人間関係を作る」は、そもそも、嫌われている人の話は聞いてもらえない、なので、少しでも人に好かれるようにしよう、という考え方が背景にあります。

そのために、ベーシックコースでは、3回程、人間関係に関する講義を設けています。

一つ目は、「あいさつ」です。

相手があいさつを返してくれなくても、明るく大きな声で、こちらからあいさつし続ければ、やがてあいさつを返してくれます。

その結果、その後に、日常会話や仕事の話が自然にできるようになり、人間関係が良くなっていきます。

二つ目は、「プラス積極思考」です。

どんなに素晴らしい話し方が身についても、その話の内容がネガティブで暗いものであれば、やはり、人はその話を聞いてはくれません。

話には、その人の考えがそのまま出てしまいますので、ポジティブなものの考え方をすることで、人に聞いてもらえる、明るい話ができるようになります。

三つ目は、「ほめことば」です。

人がおこなったことで、いいな、と思ったことはその場ですぐにほめることで、ほめた人の信頼残高が積み上がっていきます。

こうした講義を通じて、人に信頼される話ができるよう、気持ちの持ち方を学んでいただいています。

★ パトス(熱意)

スピーチ実習で、講師がアドバイスする中で重視しているものの一つに「感情表現」があります。

教室がスタートしたばかりのころ、多くの受講生に、次のような改善すべき点が見られます。

・声が小さい
・話し方が一本調子
・静かに話す

何れも、聞き手には魅力に乏しく、長い時間、聞こうとは思えない話し方です。

やはり、話はその人の思いや感情がこもっていないと、聞き手には伝わりません。

まさに、パッション(熱意)です。

私は、受講される方が自分の内面のことを深く話し始めたとき、あっ、これから成長してもらえるな、と思います。

いわゆる「自己開示」ですね。

自分のことを、ある程度赤裸々に話すとき、その話は感情を伴ったものになります。

少し「熱意」とは異なるかも知れませんが、感情を聞き手に伝えることはとても大切なことです。

また、熱意を感じる話し方をするようになると、あがらずに話せるようにもなるので、パッションはあがり症改善の上でも重要です。

★ ロゴス(論理)

これは、4回目の講義「スピーチの組み立て方」や5回目の講義「具体的な話し方」でしっかりと学んでいただきます。

話とは、聞き手に理解され、聞き手の心が動くことで、はじめて、伝わった、ということができます。

聞き手に理解されるには、その話が論理的でなければなりません。が、論理的であれば何でも良いということでもありません。

それは、自分は論理的に話している、と思っていても、聞き手にその論理が理解されていなければならないからです。

あくまで主人公は、聞き手、です。聞き手が理解できる論理を持って話しをしなければいけません。

また、人は、物事を判断、評価する際に、必ず感情が伴います。

「ああ、いいな。」とか「楽しそうだな。」などの感情が湧くことで、そのものへの評価が決まります。

従って、話しては、聞き手が理解できる論理とともに、聞き手の感情を動かす話をせねば伝わりません。

相手の感情が動かなければ、いくら論理的な話でも、それは単なる屁理屈と取られてしまいます。

相手の感情が動く話。それは、上で述べた「エトス」「パトス」「ロゴス」がすべて内包された話です。

ベーシックコースや2日間集中コースでは、これらの要素をスピーチ実習という実践を通して、お伝えしています。

ぜひ、一度、ご見学にいらしてください!

https://www.ohanashi.co.jp/free-trial/
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